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Vol.68 自由時間 ニュージーランドへ高校留学

Tamami Kawano 川野 珠実さん Tamami Kawano 川野 珠実さん
高校留学 OREWA COLLEGE 学生

思い切ってNZに来て自分のペースと明るさを取り戻すことができた
高校留学 OREWA COLLEGE 学生

オレワカレッジに入学以来、ダンスグループと4つの音楽バンドに所属し、さらに最終学年の今年は日本での入試を控え受験勉強で大忙しの毎日を送っている川野瑶実ちゃん。ここに来 るまでには、いろんな出来事があり精神的に辛い時期を過ごしたことあったという。このNZ での学生生活とこれまでの経緯について伺った。

高校留学 OREWA COLLEGE 学生【Profile】
1989 年神奈川県生まれ。中学校在学中から海外高校留学について興味を持つようになり、2005 年6月よりオークランドより北に位置するオレワカレッジに留学中。現在は受験のために辞めているが、実はダンスの腕前も優れていて、去年の学校のフェス ティバルで行われたダンス大会では瑶実ちゃんがチームを優勝に導いた。珠美さんが留学する際に利用した留学センターWSOのウェブは www.wso-centre.com

恵まれた環境、充実した学生生活高校留学 OREWA COLLEGE 学生
オークランドから北へ車で約 40分の海岸沿いに位置するオレワで、すでに2年半の高校留学生活を送っている川野瑶実ちゃんは、今年12月の卒業の前に、日本で行われる帰国子女入試を控え、毎日寝る間も惜しんで受験勉強に励んでいるという。
学校の側にあるオレワビーチでは、普段散歩をしたり、もちろん夏になれば泳いだりサー フィンなどのスポーツをしたり、学校のフェス ティバル前になればダンスの練習に励むこと もある。休日は今時の学生らしく、オークラン ドのシティに出掛けてショッピングをしたり アミューズメントパークでゲームをしたりと、 日本の学生となんら変わるところはない。
瑶実ちゃんは、受験生でありながら学校では ジャズバンド、コンサートバンド、ミュージカ ルバンド、オーケストラと4つのも音楽クラブ での活動も並行して続けているというスタミ ナの持ち主。音楽は小さい頃から大好きで、3 歳から弾いているエレクトーン、ピアノは、自 分から母親に頼んで始めたのだという。
この瑶実ちゃんの通うオレワカレッジは、約10ヘクタールという敷地を持ち、美しい緑 と施設が調和した大規模な学校で、生徒数は 1300名にのぼる。このカレッジでは留学 生を積極的に受け入れており、現在の留学生は ヨーロッパ系とアジア系が中心となっている が、その他パシフィックアイランズやサウスア メリカ方面からの留学生も多くなっていると いう。すでにニュージーランド全体にはたくさ んの国の文化が及んでおり、もちろん若いネイ ティブの学生も留学生に対して非常に慣れて いる。国籍も単なる個性の一つと考える人もた くさんいる。


留学生として感じる日本とNZの違い高校留学 OREWA COLLEGE 学生
ニュー ジーランドの義務教育は11年間(Year1~11)となっており、はっきりとした年齢制限、入学日は決まっておらず、Year1は5歳から6歳の間の好 きな時期に始めれば良いことになっている。そして、義務教育は11 年だが、学校には実質Year13まであり、もし生徒がYear11を終了して辞めたいという場合は、NCEA(National Certificate of Educational Achievement)という義務教育卒業試験を受けて、認められればYear12、13は通う必要がない。そして修了 までの3年間はほとんどが選択科目となって おり、それまで学んだ事から自分が今後何を 専門的に勉強したいか、どういった進学先や就職 先に進むかといったことを考慮して教科を決定 する。瑶実ちゃんが選択している教科は、音楽のほ か、微積分学、統計学、化学、 ESOL(English for soeakers of other languages、他言語話者のため の英語)、 IELTS(英国系の英語能力試験)、そ して自習の時間もたくさん用意されており、自主的に選び、考え、学習する能力が評価される。
「授業の進め方は、日本とはまったく違います ね。数学など始めから答えが決まっているもの以外 は、正確な答えよりもいかに自由に工夫して考える かといったことが要求されます。あと、先生が黒板に 書いたことをひたすらノートに写すといったことも ありません。他の生徒たちは疑問があったらど んどん積極的にその理由を問いただします。」
瑶実ちゃんは中学を卒業後、ビザの手続き等 を終え6月からYear10をスタートさせている。  留学当初、瑶実ちゃんは中学英語を終了 していないレベルであったが、そういった留学 生のためにESOL(前述参照)という英語の 授業が行われている。しかし実際は、英語は留 学したら何もしなくても自然に話せるように なるというものではなく、やはり本人の努力が ポイントとなる。最初は、母国語でない英語で 授業を受ける分、授業以外の時間も努力して学 習しなければついて行くのは難しい。今では、 瑶実ちゃんの英語はネイティブとのコミュニ ケーションに何の問題もないレベルに達してい る。
高校留学 OREWA COLLEGE 学生 ホームステイ先は、瑶実ちゃんより年下の 女の子と男の子を持つ夫婦の家。ホームスティ 先を転々とする留学生も多い中、瑶実ちゃんは ニュージーランドに来て以来一度も場所を変え ることなく、ホストファミリーとの信頼関係を 築いてきた。今ではまるで本当の家族の一員の ように過ごしている。その理由は、瑶実ちゃんの 客観性のすばらしさにある。
「他の留学生の友達のホームスティ先と比べ ると、私の家はけっこう厳しいみたいです。普段は夕食が用意される6時までに帰らなければな りません。あとは友達と出掛けたりする場合も、 帰宅時間は必ず聞かれるし、その友達の性別も 気にします。男の子だと「本当にその人は大丈 夫なんでしょうね?」とか(笑)。それにホスト ペアレンツが夫婦喧嘩をすることもたまにあり ますね。もしかしたら、こういう家庭をうっとう しく思ってホームスティを変更する人もいるの かもしれないけど、私は逆にとても興味を持ち ました。物心ついた頃にはお母さんとお婆ちゃ んとの暮らししか知らなかったので、これまで の自分とは全く関係のない一家庭で初めて生活 をしてみて、いろんな家族の形があるんだなぁ と全てを客観的に見ることができたんです。こ のホストペアレンツの夫婦喧嘩でさえ私にとっ てはとても新鮮で、最初は一部始終をずっと眺 めてましたね。そして、兄弟姉妹を持つ喜びも味 わいました。ホストシスターはフルートを習っ ているので、私がピアノを弾いてセッションを したり、ホストブラザーとは一緒にコンピュー ターゲームで盛り上がることもあります。将来、 結婚して子どもを産むのだったら、子どものた めを考えてたくさん産みたいなぁなんて思った りします。」


どん底から発見した道
瑶実ちゃんは母子家庭育ちで、小さい頃はお 父さんが欲しいと言ってお母さんを困らせたこ とが度々あった。それでもいつもお母さんは瑶 実ちゃんの協力者で、小さい頃から瑶実ちゃん が興味を持ったことは何でもさせてくれた。小 学校では、バスケットボールに集中するよう になり、小学校卒業後は「バスケがうまくな りたい」という思いでバスケットボール部の 強豪中学に進学した。ところが、中学校一年の 夏休み終了辺りから、蓄積した疲労が原因で しょっちゅう体調を崩すようになった。そし てその体調不良は回復が遅れるようになり、 ついに部活の長期離脱を余儀なくされた上に、普 段の授業にも出られないという日々が始まった。 やがてその焦りは、プレッシャーという名の足か せとなっていった。行きたい、けれど行けない。と ても責任感が強く、まじめで、がんばり屋ゆえの 出来事だったに違いない。その後、一時的に体調 が良くなって学校に行っては、また体調を崩す… ということを繰り返すようになった。
学校に行けず1人で居る時間が増えた瑶実 ちゃんは、逆にポジティブに自分とよく向き合い 分析するようになり、その頃に通訳者のような人 と人とを繋ぐきっかけとなる仕事に関心を持つ ようになった。そして進路相談の時期がやってく る。自分の将来のことを考えたらパッと目の前が 明るくなったように感じた。
「自分の中で留学という目標が決まってからの 行動は早かったです。いろんな情報を調べている 中、中高生の留学をサポートするWSOセンター と出会ったんです。母親は渋っていましたが、懲り ずに毎日のように説得を試んでました。取り寄せた パンフレットや資料を持って、しつこく追い回して ましたね。」
この瑶実ちゃんの頑張りが通じ、中学三年の半ばには家族のOKをもらうことができた。自分自身で ニュージーランドを選んだ理由は、当時物価が 安かったことや治安が良いと聞きていたこと、 他の国に比べて自分とそして母親の心配を軽 減できると思ったからだという。この留学を決 めた後は、新しい場所に向かう嬉しさと、絶対 やり遂げたいという前向きな気持ちで溢れて いた。


どんな時でもサポートがある安心感 高校留学 OREWA COLLEGE 学生
ここで出てきたWSOセンター( 以下 WSO)とは、それまで学生塾を営んでいた同 センター代表が、当時不登校であった2人の息 子を海外へ留学させたことを端に、 1993年 に発足された民間団体である。これまで延べ 1300人以上の生徒の生徒のサポートを経 験しており、日本ではすでに多数のメディアで 取り上げられている。
瑶実ちゃんはWSO現地スタッフとも大の 仲良し。彼らについてこのように語ってくれ た。
「基本的なサポート(中学・高校の紹介、転編 入の手続き等)をしてくれるのはもちろんだけ れど、それ以外に学校、友達、英語、生活習慣や その他のどんな小さな悩みでも親身、時には友 達のように聞いてくれて、いつも解決への道案 内をしてくれる。定期的に学校まで会いに来て くれるし、なにか問題があれば先生も交えてミー ティングも行ってくれたりもします。もう少しで 受験、進学のため帰国しなければいけないから、 会えなくなるのが本当に寂しい。でも、大丈夫。ま た戻ってくるから。」
中高生の海外留学では、生徒だけでなく親も 安心していられるかが大きなポイントとなる。留 学生のほとんどの親は、留学する本人に比べて情 報量は少なく英語もほとんどできないことが多 いため、間に入ってくれる現地スタッフが重要な 役割を果たす。その点、 WSO現地スタッフは学 生一人一人に対して定期的な「生活状況報告書」 も作成しており、日本の家族にも安心してもらえ るシステムも導入しているという。もちろん現地 での就学後に日本で進学したいという場合、入試 に向けたサポートもしている。日本では、ニュー ジーランドはもちろん他国の高校卒業資格が日 本の高校卒業資格と同等に認められているため、 その海外の高校での勉強期間が2年以上ある場 合、帰国子女枠での入学試験をうけることが可能 となっている(詳細は各大学によって異なる)。
今年、瑶実さんが日本で受験するのは全て法学 部。留学を体験したことは視野を大きく広げ、そ して世界にはいろんな人がいること、いろんな事 実があることを知った。そして、法律や人道問題 を深く学びたい、いろんな国を見てみたいと思う ようになった。次に行ってみたい国はアフリカ方 面で、そのためにフランス語など英語以外の言語 も勉強してみたいという。夢は広がるばかりである。

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